九品寺附属平窪幼稚園 園長
遠藤 弘道(えんどう・こうどう)
九品寺附属平窪幼稚園の教育について
相手を思いやること、意欲的に取り組むこと、創意工夫をすること。 人としての土台である「根っこの力」を育てることに、私たちは力を入れています。
教育方針「明るく 正しく 仲よく」
園を卒業してからも、子どもたちの人生は続きます。その後の人生で得られる経験や体験が、人生を豊かにする「果実」となるよう、幼児期は、太い幹を育て、茎や葉を広げるための「根っこの力」を育てることが大事だと考えます。
三年で実る実もあれば、時間をかけて実り、噛むほどに味わい深くなる実もあります。大事なのは、それぞれが、それぞれの実りを納得し、その積み重ねを小さな自信に変えながら、他者を思いやる心を育て、誰かと共にある人生を、より豊かにできることではないでしょうか。
当園が「明るく、正しく」に加えて「仲よく」を教育理念に加えているのは、誰もがたったひとりでは生きていくことができないからです。
ひとりで何かを切り拓く力、自分の言葉で語る力だけでなく、家族や仲間、地域を敬い、共に生きていこうと試みる「根っこの力」を育てたい。
だからこそ私たち九品寺附属平窪幼稚園は、明るく、正しく、そして仲よくを掲げます。
仏教保育を基本に、「ことば」「からだ」と向き合う
当園は全国にネットワークを持つ「総合幼児教育研究会」に加盟しており、その特徴的なカリキュラム「日課活動」と「体育ローテーション」を毎日の保育に採用しています。 また、“お寺の幼稚園”として、年間行事はもちろん、日々の活動にも「仏教保育」を取り入れ、仏さまの教えを通じてお友だちや先生を思いやる心・助け合う喜び・感謝する気持ちを育みます。
日課活動
夢中の時間のなかに、
ことばを紡ぐ集中力が生まれる
フラッシュカードを使った言語活動、百玉そろばん、俳句やことわざの暗唱など、年齢に合わせて「動き/ことば/リズム」を基調にした活動をおこないます。 先生とことばのキャッチボールを繰り返す中で、子どもたちの集中力が高まり、自然と「かしこい頭」が育つよう設計されたプログラムです。子どもたちは「遊び」の感覚で、毎日のくり返しによって脳を鍛えていきます。
体育ローテーション
仲よく体を動かして、からだの力を呼び覚ます
子どもたちの一日は体育ローテーションから始まります。 毎朝、全員で園庭に集まり、跳び箱やマット、鉄棒などを配置して、軽快な音楽に合わせ、流れるプールのように運動を繰り返します。 一人ひとりの運動感覚を引き出すだけでなく、列をなして回ることによって集団のルールを理解し、協調性を育む教育活動でもあります。
仏教保育
ののさまに見守られながら健全な心を養う
みんなが集まる遊戯室には仏像が安置され、いつも子どもたちを見守ってくれます。 子どもたちは仏さまを「ののさま」と呼び、朝礼や食事の前にお誓いや感謝のことばを唱えたりと、仏さまをいつも身近に感じながら過ごしています。 また、年間を通して様々な仏教行事を取り入れ、人として生きていく上で最も大切な「根っこの力」を、仏教を通じて育んでいます。